暖かい家を実現するためには、いくつか注意したいポイントがあります。このページでは、注意ポイントと、そのためにかかる費用について解説します。気になるローコスト住宅の暖かさ、「暖かい家」をお得に建てる方法についてもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
「暖かい家」にはいくらかかる?
「暖かい家」を実現するためには、に注意して施工をすることが大切です。
- 気密性
- 断熱性(断熱材)
- 窓
- 換気システム
以下では、それぞれにかかる費用をご紹介します。
気密性を高めるのには職人の人件費もかかる!?
気密性の高い住まいは、スタンダードな住宅よりも、坪単価で3~5万円ほど高い※1と言われています。費用の内訳は、気密シートや気密テープ、発泡ウレタンフォームなど、隙間を埋めるための資材です。すき間をできるだけ作らないためには、高精度で整えられた住宅パーツが必要です。
また、現場の技術力も重要。施工技術の高い職人が時間と手間をかけて丁寧に作業をして初めて高気密住宅になります。このため人件費がかかります。
気密測定をする場合は、さらに費用がかかります。気密測定とは、実際の住宅一つひとつについて、気密を調べること。ある程度施工が進んだ段階で現場に機材を持ち込み、隙間がどのくらいあるのかを調べます。
ビルダーによっては対応していない場合もありますが、オプションで依頼する場合は、5万円~10万円※ほどかかるようです。別業者に依頼する場合は、さらに交通費もかかります。
※参照元:HAGS(https://hags-ec.com/column/terminology-220223-m/)
断熱性を高めるための費用は1㎡あたり4,000~3万円程度
断熱工事は、施工面積や断熱材の種類によって費用が大きく異なります。費用の目安は、1㎡あたり4,000~3万円程度。50㎡に施工する場合は、20~50万円程かかります。費用の幅が大きいのは、使用する断熱材の種類によって価格が大きく異なるため。
以下では、断熱材の種類ごとの費用(1㎡あたり)をご紹介します。
- グラスウール:600~1,800円程度
- ロックウール:600~1,800円程度
- セルロースファイバー:6,000~9,000円程度
- ポリエステル:900~2,700円程度
- ポリスチレンフォーム:600~3,000円程度
- 硬質ウレタンフォーム:3,000~6,000円
- フェノールフォーム:3,000~6,000円程度
ご紹介した中では、グラスウールやロックウールが安く、天然素材からできているセルロースファイバーは高額です。この他、戸建て住宅の断熱材の施工では、足場の費用などが必要になることもあるので注意しましょう。
※参照元:ホームプロ(https://www.homepro.jp/dannetsu/dannetsu-basic/2542ca#Entry25)
窓にかかる費用は、ガラスの枚数と冊子の種類で決まる
窓ガラスは、ガラス1枚の単板ガラスよりガラス2枚のペアガラス、3枚のガラスで作られたトリプルガラスの順に断熱性能が高くなります。費用は窓の大きさや窓のスタイルによっても異なりますが、90cm×180cmサイズの相場はおおむね以下の通りです。
- 単板ガラス:10,000~25,000円
- ペアガラス:15,000~8,000円
- トリプルガラス:50,000~100,000円
サッシの種類によっても費用は異なります。
- アルミ製サッシ:20,000円~60,000円
- 樹脂製サッシ:50,000円~150,000円
- 木製サッシ:100,000円~300,000円
トリプルガラスは単板ガラスの約5倍(※1)の導入コストが必要です。そしてサッシはアルミサッシが最も安く、木製サッシはアルミサッシの約5倍(※2)のコストがかかります。断熱性を重視するなら、ガラスはトリプルガラス、サッシは樹脂製サッシか木製サッシがおすすめです。
(※1)※参照元:Quohome(https://quohome.com/story/?p=9838)
(※2)※参照元:SATIS HOME(https://satishome.com/122980)
換気システムの費用相場とは
高気密高断熱の家には、家の中の空気を自動的に入れ替える24時間換気システムが欠かせません。24時間換気システムの費用相場は、家の大きさや間取りによって幅がありますが、おおむね50~100万円程度※。機器本体の費用に加え、設備をつなぐダクト配管や、電源工事、設置工事に費用がかかります。
換気システムは24時間付けっぱなしなので、月々の電気代も考慮しなくてはなりません。ただし、換気システムで消費する電力量はそれほど多くありません。2階建ての戸建住宅の電気料金は月数百円ほどでしょう。
※参照元:入沢工務店(https://www.irisawa-corp.com/column/202312_02/)
ローコスト住宅は寒いのか
「ローコスト住宅は低品質で寒い」というイメージをお持ちの方が多いようです。しかしそれは全くの勘違い。ローコスト住宅でも、品質がよく、一年中快適に過ごせる家づくりは可能です。
注意したいのは、どのコストを削っているか。当然、構造材や断熱材など、家の性能を左右する部材でコストを削減している場合は「夏暑く、冬寒い」家になるかもしれません。しかし、業務の効率化によって人件費を削減している・大量発注によって仕入れ値を下げている・広告費や宣伝費を抑えることでローコストを実現しているビルダーなら、イコール「住宅の品質が悪い」とは考えにくいでしょう。
「暖かい家」をお得に建てる方法とは?
大切なのは、「寒い家になる原因」を把握しておくことです。
まず、使用する断熱材の種類や厚さによって断熱性が大きく変わるため、高性能な断熱材を選び、厚めに入れるようにしましょう。
窓やサッシも、断熱性能が高いものを選ぶのがおすすめです。窓の大きさや位置は、日光を効率的に取得できるよう設計するのがポイント。間取りはシンプルにして、室温ムラができないようにするのがよいでしょう。
高断熱な家の経済効果は30年で100万円以上

(https://newsroom.lixil.com/ja/2024122001)
「高断熱な家」と聞くと、性能が高いぶん費用もかさむイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、実は長く住むほどに光熱費の削減はもちろん、医療費の抑制など、大きな経済効果が期待できるのです。
断熱性能が高まることで、家の中の寒暖差が小さくなり、ヒートショックといった健康リスクが低下します。さらに、アレルギー症状の緩和など、体への負担を軽減する効果も報告されています。こうした健康面での改善が、結果として医療費や薬剤費の削減につながるのです。
LIXILと近畿大学が共同で行った研究によると、戸建て住宅で窓の断熱改修を行った場合、30年間で光熱費が約73万円、医療費が約25万円、薬剤費が約5万円、合計で約103万円の経済効果が得られるという試算が出ています。
つまり、高断熱な家づくりは「快適さ」と「安心」に加えて、将来の“お得さ”まで備えた選択肢と言えるでしょう。
参照元:株式会社LIXIL 『窓の結露に悩む約3人に1人が「昨年よりも光熱費が高くなった」と感じる傾向。 住まいの断熱で解決できる「もったいない」発見サインは結露にあり。』
(https://newsroom.lixil.com/ja/2024122001)
まとめ




ZEH水準の省エネ住宅等を建てたら
優遇制度も活用できる!
「高性能な家はコストが高い」と思われがちですが、実はZEH水準の省エネ住宅を建てることで、住宅ローン減税や金利引下げなどの優遇制度が利用できます。ここでは、主な制度についてご紹介します。
住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)
住宅ローン減税とは、年末の住宅ローン残高の0.7%が、最大13年間にわたり所得税などから控除される制度です。
ただし、2024年度以降は省エネ性能が要件となっており、以下のように住宅の性能によって控除限度額が変わります。
| 認定長期優良住宅・ 認定低炭素住宅 |
控除限度額(最大):4,500万〜5,000万円 控除期間:13年間 |
|---|---|
| ZEH水準省エネ住宅 | 控除限度額(最大):3,500万〜4,500万円 控除期間:13年間 |
| 省エネ基準適合住宅 | 控除限度額(最大):3,000万〜4,000万円 控除期間:13年間 |
| その他の住宅(非該当) | 控除限度額(最大):控除なし 控除期間:対象外 |
たとえば4,000万円のZEH水準住宅を建てた場合、初年度は最大28万円の控除(4,000万円×0.7%)を受けられます。ただし、控除は年ごとの残高に応じて減少する点にも注意が必要です。
フラット35(フラット35S)
「フラット35」は、住宅金融支援機構が提供する全期間固定金利型の住宅ローンです。その中でも、「省エネ性」などに優れた住宅を対象にした「フラット35S」では、一定期間、金利の引下げが受けられます。
ZEH水準の住宅の場合は「フラット35S(ZEH)」に該当し、以下のように当初5年間、最大0.75%の金利引下げが適用されます。
| 一次エネ等級6 or 断熱等級5以上 |
金利引下げ幅:▲ 0.25% 引下げ期間:当初5年間 |
|---|---|
| 一次エネ等級6 かつ 断熱等級5 |
金利引下げ幅:▲ 0.50% 引下げ期間:当初5年間 |
| ZEH住宅 | 金利引下げ幅:▲ 0.75% 引下げ期間:当初5年間 |
どれぐらいお得になる?
では実際に、ZEH水準の省エネ住宅を建てた場合、従来の一般的な住宅と比べてどれくらいお得になるのでしょうか?
国土交通省の試算によると、たとえば借入額7,500万円・返済期間35年・金利1.5%の住宅ローンを組んだ場合、住宅ローン減税とフラット35Sの金利引下げを活用することで、一般住宅よりも最大でおよそ460万円ほどの負担軽減が見込めるとされています。
- 住宅ローン減税:「ZEH水準住宅」と「一般住宅」との比較で → 最大182万円も多く控除を受けられる試算に。
- フラット35Sの金利引下げ:→ 総返済額が約280.3万円ダウンするケースも。
この試算は借入金額7,500万円・金利1.5%・35年返済でのケースですが、借入額が大きい方ほど差は大きくなります。つまり、ZEH水準の高断熱住宅は、建築費が多少高くなっても、トータルで見ると“損しない選択”につながる可能性があるのです。
※参照元:経済的にオトクに!|家選びの基準変わります - 国土交通省(https://www.mlit.go.jp/shoene-jutaku/economic-benefits/index.html)
モデルハウスから見る実際の費用例
苫小牧市豊川町・3LDK・約3,350万円
苫小牧市拓勇西町・4LDK・約4,680万円
苫小牧市新開町・4LDK・約4,000万円
千歳市富丘・3LDK・約4,200万円
苫小牧市美原町・3LDK・約3,450万円
千歳市富丘・3LDK・約3,800万円

住研ハウスは、北海道・苫小牧・千歳・恵庭エリアで特に実績豊富。「夏涼しく冬暖かい家」の建築に力を入れているハウスビルダーです。
2×4材より50mmも多い140mmもの充填断熱材や、家全体を効率的に換気する全熱型第1種換気方式を採用し、季節を問わず快適な住まいづくりを行っています。

























