せっかく家を建てるなら「暖かい家」が良い、とお考えの方は多いでしょう。暖かい家には気密性と断熱性、そして日射取得が必要です。ここでは、家が寒くなる原因と対策、日射取得の重要性などを解説します。

伊藤修平さん
住研ハウス苫小牧本社の建築部長。暖かい家づくりの豊富な知識に限らず、2級建築士や増改築相談員・既存住宅現況検査技術者・BIS-M・外壁診断士など多数の資格を持つ。
日射取得を考えないと寒くなる?
暖かい家を作るためには、外気温の影響を受けないようにすることが大切です。このため最近は窓をできるだけ付けない、あるいは小窓にする家が増えています。窓がなければ冷たい外の空気が入り込みにくくなるため、一年を通して家の温度を一定に保てるというわけです。
断熱材が施された壁の面積が広くなることで、断熱性や気密性が高まる点もメリットです。断熱性能が格段にアップし、室内の冷暖房効率を高めることが可能です。
しかし一方で、日射取得に配慮しないと、窓がない=寒い家になってしまうので要注意。日射取得とは、言葉通り、太陽の光を取り入れることです。窓がない・小さい家で日射取得ができないと、一日中エアコンを稼働することが前提の、寒い家になってしまいます。
家を暖かくする日射取得とは?
冬も快適な家を作るためには、日射をコントロールすることが大切です。例えば、冬は日射をできるだけ積極的に取り入れて、暖かい室内環境をつくりたい。反対に夏は、あまり日差しを入れず、涼しい室内環境にしたいですよね。
日射取得を意識する場合は、まず、季節によって異なる太陽の角度を考えます。それに合わせて窓の位置、窓の大きさ、庇の有無や長さなどを工夫することで、冬は日射取得、夏は日射を遮蔽することが可能です。
窓ガラスも検討しましょう。窓ガラスには、日射取得型と日射遮蔽型があるため、適切に使い分けることで、日射を効率よく取得することができます。
北海道で日射取得できる家を選ぶ際の基準とは?
日射取得できる家を手に入れたい場合は、まず土地選びからこだわりましょう。南側に面している土地なら、太陽からの放射エネルギーを最大限に取り込むことが可能です。
ハウスメーカーやビルダーを選ぶ際は慎重に。実は日射取得については、あまり意識していないハウスメーカーやビルダーが少なくありません。日射取得を考慮せず、コストやデザインばかりを重視して家づくりをしてしまうと、冬寒すぎて過ごしにくい家、光熱費がかかりすぎる家になる恐れがあります。
ホームページや請求資料などをよく確認し、日射取得の重要性を理解している、土地選びからサポートしてくれる会社を選ぶのがおすすめです。
冬暖かい家を建てるために、高気密・高断熱が大切なのは、みなさんご存じかと思います。しかし、気密・断熱性能を高めるだけでは不十分。家の中の空気を暖める熱をしっかり取り入れた上で、熱を逃がさないようにする(気密・断熱)ことで初めて、暖かい家を実現することができるのです。